人前で話すのが大好き!という人よりは、人前で話すことに、苦手意識を持つ人のほうが多いのではないでしょうか?
緊張せずに話すには、訓練と場数を踏むことが重要です。そこで、今回は、ウォートンスクールの教授であり、『Give&Take「与える人」が成功する時代』の著者であるアダム・グラント氏のコラムから、あがらずに人前で話すためのヒントを紹介しましょう。
ウォートンスクールの有名教授もスピーチは緊張する?
アダム氏が初めて、スピーチの依頼を受けた時、発表日前は、いくら練習しても、緊張が解けず、よく眠れなかったといいます。
結局、スピーチは特に間違いもなく、何とか終えたが、聴衆者からの感想は、「緊張でガチガチに見えた」、「文章を丸覚えしたような棒読みだった」など、さんざんな評価で、愕然としたそう。
それ以来、多数のスピーチを経験する過程で、スピーチの不安や恐怖感を減らすための有効な方法に辿り着いたそうです。
落ち着こうとしないこと
ハーバード大学のアリソン・ウッド・ブルックス教授の研究によると、多くの人は、スピーチに重要なのは「落ち着くこと」だと考えていますが、実際は、「私は落ちついている」といって行ったスピーチは、説得力にかけ、自信が感じられないと評価されました。
一方、「私は興奮している」といった場合は、魅力的なスピーチになったとのこと。人間には生理学上、ゴーシステム(go system)とストップシステム(stop system)という2つの回路を持っているためと考えられます。
ゴーシステムは、行動を促進させる回路であり、一方、ストップシステムは、行動を慎重にさせる回路です。
つまり「落ち着こう」と言い聞かせることによって、ストップシステムがオンになり、消極的な印象を聴衆に与えてしまう可能性が。また、「不安や恐怖」という強い感情は、なかなか消えないものです。
「落ち着く」という真逆の平静状態に変えるよりも、同じように強い感情である「興奮」に転換するほうが、容易だとしています。
多くの聴衆の前で練習すること
練習するときは、だいたい、一人で練習することが多いと思います。しかし、一人で練習していても、あまり効果がないようです。
というのも、スタンフォード大学の心理学者、ロバート氏によれば、他人の存在が、興奮や緊張を引き起こすため、一人で練習していても、緊張することがなく、発表の場でもっとも重要な緊張の調整をする練習にならないためとしています。
おすすめの方法は、小グループの前で、リハーサルをすることが望ましいようです。友達や同僚など、気の置けない仲間に頼んで、リハーサルに付き合ってもらいましょう。
照明を暗くする
照明を落とすことで、聴衆の顔が見えづらくなり、緊張が和らぎます。
また、薄暗いほうが、聴衆もリラックスし、笑いが起こりやすいものです。ただし、スピーチの内容がつまらないと、眠りを誘うので、中身に自信のあるスピーチの場合のみ、照明を落とすのがおすすめです。
どんな人に話すか事前に調べる
聴衆者のバックグランドを、調べることで、スピーチの内容をより興味のもてるものにすることが出来ます。かつスピーチに具体性と説得力を持たせることが出来るでしょう。
さらにスピーチする側の緊張や不安を和らげる効果もあります。だいたいどのような人にスピーチするのか簡単に調べておきましょう。
クイズや質問、物語を使おう
スピーチの出だしに、聴衆に対して、クイズや質問、物語から始めると、クイズの回答を考えたり、物語の筋や展開に着目し、集中します。
そのためスピーチをしている人には、それほど注目しなくなり、スピーチの良し悪しについてもあまり評価しない傾向にあるようです。
まとめ
以上スピーチ、プレゼンのためのヒントをご紹介しましたが、いかがでしょうか? どれも簡単に出来るものばかりです。
だまされたと思って一度やってみてはどうでしょうか? 人前で話すことが、楽しいものになるかもしれませんね。
【参考】
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