今や日本の政治家も役人もカタカナワードを多用する時代。
最近のコロナ禍を例にとれば、オーバーシュート、ロックダウン、クラスター、アウトブレイクなど、初めて聞いたときは、「オーバーシュート、えっスポーツ?」など、下手に語感の似ている単語を知っているおかげで、ニュースの内容が頭の中にさっぱり入ってこなかったという人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、カタカナワードの多用は、相手を不快にさせてしまう可能性もありますが、使い方によっては、感じよくスマートに聞こえることも。
言葉は時代を映す鏡です。言葉の使い方で、あなた自身をフレッシュに見せることも可能です。ビジネスワードではない、日常で使えるカタカナワードを紹介しましょう。
売れ残り・期限切れの食品⇒フードロス(食品ロス)
今話題の、消費の低迷による期限切れ、売れ残りの廃棄食品。「売れ残りの商品ね!」と言った場合、ニュアンスとして、「誰も買わなかった商品」というネガティブな印象を受けます。販売しようとしている商品を売れ残りや期限切れとはいえません。
そうです「フードロス」です。ただし、正しく使うのであれば「食品ロス」だそうです。消費者庁が
推進す「[食品ロス削減・食べもののムダをなくそうプロジェクト」によると、食品ロスとは、まだ食べられるのに廃棄される食品のことです。
日本の食品廃棄物等は、年間2,550万トン。このうち、まだ食べられるのに廃棄される食品、いわゆる「食品ロス」は612万トン。これは、飢餓に苦しむ世界の人々に向けた、食糧援助量(平成30年で年間約390万トン)のナント!1.6倍に相当するそう。
また、食品ロスを国民一人当たりに換算すると”お茶腕約1杯分(約132g)の食べもの”が毎日捨てられていることになるそうです。もったいないですよね。
ちなみにアパレルでは「売れ残り一掃セール」をアウトレットセールとオシャレに言い換えています。
これからの時代は、期限切れ商品・売残りではなく、食品ロスというワードを使うことで、大切な食品大事にするという気持ちを込めて、使ってみたいですね!
中古品⇒リサイクル品
日本人は新品が好きという神話は過去のものになりつつあるようです。この神話を覚えていること自体、価値観が古いかもしれませんが。
よく言われていたのは、住宅市場の例です。日本は海外と比較して圧倒的に新築が人気でした。
ただ、最近はいわゆるシェアリングエコノミーの時代です。モノを所有するよりもモノの使用に価値を置く時代。必要なものは、どこかから、レンタルするか、誰かとシェアするとか、必要な時に都度調達するというスタイル。
使い終わった人からまだ使えるモノを格安で譲ってもらうことは、価格面からのメリットもそうですが、使えるモノを無駄にしないという新しい価値感が浸透しつつあるのではないでしょうか。
今は、webで、メルカリやラクマなど手軽にリサイクル品のやり取りができる環境がそろってますので、リサイクル品を手頃な価格で手に入れるというのはすでに、一般的になりつつあります。
「あー中古ね」というと、言葉としては正しいのですが、ネガティブな印象(新品買えないの?)と受けとる人もいます。
「リサイクル品ね!」といえば、言われた人も「リサイクル=環境に優しい」といったポジティブな面を肯定されたような気がするはずです。
ずるがしこい⇒クレバー
日本人なので、あまり深く考えずに「クレバー(賢い)」と使っていますが、クレバーには意味が2種類あり、中学校の英語で習う意味の「賢い」という意味と「ずるがしこい」という意味があるそうです。誤解をさけるため、スマートを使うほうが一般的のようです。
そういえば、トランプ米大統領が北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長のことを「he’s a pretty smart cookie.」(彼はとても賢い)と謎の持ち上げをしていましたよね。
たとえば、飲み会や雑談で、誰かを評するとき、さすがに「○○ってずる賢いんですよ~」などと直截的な表現はさけたいが、ニュアンスとして知らせたい!という時ありませんか?
そんなときは、「○○ってクレバーなんですよ。抜け目ないっていうか!」と最初にクレバーと置くことで、角が立たず、マイルドな表現にすることができそうです。
まとめ
以上、ネガティブワードをポジティブワードに変換する練習を紹介しましたが、いかがでしょうか?
新しい言葉には新しい時代の価値観が込められています。自分の価値観も言葉とともにアップデートしていきたいですね!
※ [食品ロス削減]食べもののムダをなくそうプロジェクト – 消費者庁
※ メディアの方へお願い 「フードロス」より「食品ロス」を使って欲しい理由とは? – Yhoo ニュース
※ 1分でわかる!smartとcleverの違いと正しい使い方
最近のコメント